『建築を考えた土地探し 前編』
「土地が見つからない理由」
今回は2年間探しても希望の土地が見つからないと悩んでいた方へのサポートのお話です。
住まいにこだわりがある方、建築家に建物をデザインしてもらいたい方、値段や条件だけでなく、自分たちの感性を信じて土地を探す方は特に土地探しで苦労しています。
私たちのお手伝いした事例を交えながら土地との出会い方を考えてみたいと思います。
依頼者のご家族は家づくりを考えはじめ、近所の不動産屋さんに相談しなら、自分たちでもインターネットで土地を探しては見に行っていたようです。
しかし、「欲しい」と思える土地と出会えないまま2年が経過し、心身ともに疲れた状態にまでなってしまいました(土地見学の帰り道、偶然通りかかったペリカンビルの庭で休憩していたという不思議なご縁で出会った方です)。
お話を伺っていると中々土地が見つからない理由が分かってきました。
「建てたい建物と選ぶべき土地がくっついていないこと」
「土地、建物、造園、家具を含めた総工費がまだ予算化されていないこと」
「土地を決めていく道筋がイメージできていないこと」
一度立ち止まって整理するとこから始めた方がうまくいくと考えました。
私たちが考えた「住まいの」道は次の順番です。
①建てたい建物と家ができてからの暮らしを共有することからスタート
②土地ツアーでなく建築ツアーでリアルなサイズ感とデザインの意味や目的を共有する
③一生のお金の使い方を専門家を交えて一緒に勉強し、住宅投資としての総工費を考える
④ご家族間で(ご夫婦ともに両親、祖父母含めて)とことん話し合う
⑤全ての希望に優先順位をつけていく(後に変わってもよい)
インターネットでの情報収集や実際にたくさんの土地に足を運んでいた方でしたので、頭の中に土地のデータベースができている状態でした(目が養われている状態)。
このあたりの項目を一つずつ進めながら、情報をできる限り共有していきます。
進めていくとだんだん自分たちでも分かってくる現実と違和感。
その段階まで来ると私たちの考えももすんなり伝わっていくように思います(もともとペリカンビルの空間がよいと思われた方なので)。
次回は一歩進んだ土地探しについて書きたいと思います。