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2019-07-31

千秋の賃貸での挑戦

『千秋の賃貸での挑戦』

空き家が増えています。

親は住まなくなったけど仏壇もあるし、困ってないし、などの理由で先送りしている方も多いとか。
海外と比べて住宅を資産として価値を高めたり、住み継いだりが少ないという事情もあると思います。

不動産や建築の研修会や、世の中見まわしても空き家対策はなかなか進んでいない様子。

古家を活用したい人の需要はあっても、借りることができる賃貸がほとんど市場に出てこない。出たとしても手直しにお金がかかるので、借りる人はプロかDIY好きしか手を出せないのが現在の「空き家」です。

世間の空き家対策とは建物を壊して売却するというものがほとんどです。(こちらは税制優遇もあり、決断できる方は売却で問題ないかと思いますが)。
建物を壊して土地を売却すること自体は悪いことではありません。古いものを全て残せばいいというのも無責任な話です。

そうではなく、所有したまま、古家を活用するという選択肢があってもいいのではとの考え方です。古家の活用は課題も多いのであまり取り組まれていません。

だからこその挑戦です。

古家の修理から賃貸、そして活用するための改装を一連の流れで行う挑戦を「千秋の賃貸」で取り組みました。

依頼者は自分が住むつもりで買った古家をやっぱり貸家にすることに(移住されたので)なるところからスタートしました。
さて、どんな人だったら借りてくれるだろうかと考えることが自分の仕事。

古家を使いたい人が求める改装、やりすぎないベース作りを見極めます。
最低限のベース作りの改装の次は借り手の改装をアドバイスします。
もちろん、大家さんに手を加えることの理解を求め、お互い納得の工事を進めます。

古家の所有者と借りたい人を不動産屋としてしっかりとつなぐ。
建築の仕事として、手直しやお店作りに参加する。
建築と不動産をまたぐ領域で全体をディレクションすることで一本の線となります。

今回の挑戦はひとまず完成。大家さんと借り手さんにも喜んでもらえて、古い建物も壊さず活用できました。


「できる限り壊さない建築」で新しい価値が生み出され、ゴミは減りました。
今後はこの場所を応援していきたいと思います。

第一期の改装は「大家さん自ら参加する改装」にbefore/afterの写真があります。ぜひご覧ください。

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